こむぎまじん は にげだした!▼

生物にとって欠かせない『食』
そこには当然摂取する側と摂取される側が存在する。


絶対的優性である摂取する側だが、無限に摂取していいかといえば当然そうではない。
どれだけ摂取するのが妥当か、摂取される側によって大体決められた摂取量がある。


これを超えてしまうと、摂取される側が枯渇してしまうのはもちろんのこと、
最悪の場合は摂取される側にその身を乗っ取られる危険性がある。


およそ半年前、私ffはその危機にあった。




そう、第一次こむぎ大戦である。




ローソンがある媒体を通して全国民をこむぎ化しようと狙ったもので、
実に取るに足らないエサが蒔かれていた。





何の変哲もないマグカップ





何の変哲もないマグカップ×2





キャラクターの名前であるリラックマとマグカップをかけて
リラックマカップという陳腐なネーミングがされていた。




まぁこんなもんにつられる私ではないのだが、
売られた喧嘩は買うというのが私の信条である。




先程の“ある媒体”とはパン。
ローソンこと悪の手先はこのパンを使い、
あのマグカップをエサに全国民こむぎ化計画を立てていたのだった。


実に恐ろしい計画である。




マグカップに必要なポイントは20。
普段より相当多くの小麦を摂取しなければ到達できないポイントである。
マグカップを集めているうちに知らず知らずのうちに
こむぎ化が進んでいるという、
まさに蟻地獄。




このあからさまな罠に私は立ち上がった。
私がやらねば誰が立ち上がるというのだろう。
そんな使命感が私を動かしていた。


決してリラックマカップが欲しかった訳ではない






―――――――果たして私はその戦いに打ち勝った。
先程の二つのリラックマカップはまさしくその戦利品である。




集める途中は様々なこむぎ攻撃が私を苦しめ、
危うくこむぎ化するところではあった。
しかし、何とか勝利した。
結果として2つのマグカップを獲得したのだから完勝といっていいだろう。
まぁマグカップ自体には興味は全くなかったけれども







―――――しかし、根は途絶えないものである。










リラックマ×ローソンキャンペーン第2弾!
パンについているシールを20ポイント分集めてリラックマボウルを貰おう!










な、何だと……。




今度はマグカップではなくボウル…。
遂にリラックマと何もかけることのない名前のものを出してきた。




ローソンにまだこんな体力が残っていたとは。
実に恐ろしい。
今度の戦いはより危険だ。
次こそこむぎ化してしまうかもしれない…。




しかも、キャンペーン中の商品としてこんなものも売っていた。








前回好評だったマグカップの新バージョンに
さらにゼリーをつけて400円でご提供!!








な、何だと………?




あのマグカップに酷使したマグカップにゼリーがついて400円ちょっと。
全国のこむぎファイターたちがその身を危険に晒しながら目指した
あのマグカップがこんな値段だなんて…。




まったく欲しいという気持ちはこれっぽっちもないが
参考資料として購入した。




おかげで我が家での飲料摂取の際はかなり高い確率でこの手のマグカップだ。
その度に私を苦しめた小麦への怒り、畏れ、嫉みといった感情が沸々と湧いてくる。




まさに臥薪嘗胆。
私は決心した。




この第二次こむぎ大戦に参加しよう、と。




やるならやらねば―――。
10数年前のウッチャンナンチャンのような心境に私はあった。




出だしは好調であった。
小麦に対し既に抗体のある私に多少の小麦攻撃は物足りないくらいだった。




家でもパン・サンドウィッチばかり食べる私に援軍が現れたのもその頃だった。
それは実の母親で、私自身が買う分に加えてさらにパンを買ってくるようになった。




更にリラックマボウルへの道のりが開けていた私だったが、
一つ落とし穴があった。
母親は全くパンを食べないのである。
つまり二人が買ってきたパンの搾取は私一人で行うことになり、
このときのコムゲルス係数はK点をゆうに越えていたことだろう。
ちなみにコムゲル係数とはエンゲル係数の中で更に小麦への割合をしめしたものだ。
これを計る機械としてコムウターがあるが、
規定値を越えるとすぐに壊れるのであまり使い勝手は良くない。




もしかしたら母親はすでに小麦一派の手に堕ちたのかもしれない――。
そんな疑心暗鬼とも私は戦った。




前回の勝利の具合では生ぬるいと判断し、
今回は徹底的に戦い尽くすことを誓った。




念のため言っておくが、あのリラックマボウルには全く興味はない。
確かにパっと見のカワイイ感じに騙される輩は多いだろう。
だが、私は騙されない。
あくまで小麦を殲滅した証として欲しいだけだ。





そうこうしているうちにリラックマボウルは手に入った。





あくまで戦利品




しかし、一つでは根絶やしとは言えない量の摂取だ。
ここは危険を承知でさらに戦いを続けるしかない。







2個




しかし連コム(連続こむぎ)は確実に私を蝕んでいた。
40ポイント換算の小麦を摂取したのだ。
体に負担がかかるのも当然だ。
何を隠そう今まで更新が途絶えていたのも療養に当てていたせいだった。



今回の戦いで壮絶な争いはひとまず幕を閉じた。
次の戦いはもう少し自らを労りながら…
とは思いながら次のことはまだまだ考えられそうない。






それほどの激闘





よい子のみんなは決して真似しないように。