マーベラス・ハルバード・アンド・インビンシブル・シールド

どうも、とうとう声まで30代とみなされたffです。


さて、世の中は訳のわからないことばかりですが、
あたかも周りが真実かのように扱うので何か引っかかっても認めてしまうことってありませんか?
イマイチ釈然としないけど、それはそーゆーもんなんだととりあえず自分に言い聞かせる感じ。


たぶん、たぶんですが皆さん経験あると思うんですよね。
円周率とかフレミングの法則とか古代史とか。


そんな中で僕が今までしっくりこなかったものの一つが“矛盾”だったりします。


ある商人が村で行商していて、
『この矛は突き通せないものがない程の切れ味だぜー』
『この盾は突き通せるものがない程の強度だぜー』
とセールスアピールしてたら
『じゃあその矛でその盾を突いたらどうなるんだいどうなんだい』
と子供に言われてしまい、何も言えなくなってしまった、という故事に基づいて
『つじつまの合わないものごと』を表す成語になったって話ですね。


故事は押し付けがましいところが少ないので好きではあるんだけど、
(これがことわざだったら『つじつまの合わないことを言ったらダメですよ』的な意味になりそう)
これを初めて聞いたときから何か違和感があったんですよね。
中学生で習ったときにも同じ印象で、テストとかにはさも理解したかのような解答をしてたけど、
やっぱり何かしっくりこなかったんですよね。




そんな違和感すっかり忘れていたんだけど、
それがある時急に思いついたんだわ。


ある時ってのは自分の仕事である営業について考えたときなんだけど、
引っかかってたものの正体は
『この故事はホントに“つじつまの合わないこと”なのか』で、
その答えは
『たぶん違う』
でした。




つまりどういうことかと言うと、
例の商人がそのまますごすご帰っていって上司にその旨を伝えたら、
『お前はダメな営業だなー』
と言われること請け合いってことです。


まず、アピールの定義が曖昧です。
矛の“どんなものでも突き通す”はまだ対象が提示されてるからいいとして、
盾の“どんなものでも突き通さない”はイマイチです。
じゃあ火炎放射とかだったら?とか答えられません。
まだ『物理攻撃は全部防ぎます』の方がマシだし、『この盾に攻撃してきた物体は壊れます』くらい言った方がアピールに足るんじゃないだろうか。
何回防げるかもよくわからないのでそこもマイナスです。



まぁ仮に最初のアピールがイマイチだったとしても子供の質問に答えられない意味もわかりません。
無言はマズいよ。


『どっちが強いかはわからないけどどっちかが壊れるから嫌です』
くらいは言ってもいいような。


いっそ
『矛の方が強いです。でも盾の中ではこれが一番ですよ』
って限定させてあげてもいいし、
『両方壊れるから嫌です』
って言うのが無難な気がします。


で、締めには
『最強の矛と無敵の盾には違いないんで両方買って下さい』
って言うべき。
『どっちかだけだったらもう片方をもつ誰かに負けるかも…』
とか付け加えればいいんじゃないかなー。




つまりこの話は
『つじつまの合わない話をしてないのに突っ込みに肯定してしまいつじつまの合わない話ということになってしまった』
話なんです。なげぇ
ただ単に営業マンのトークが未熟でした、っていう話に落ち着きます。俺の中では。




これを何となく思ったときスッキリしたと同時に、
すげー嫌な気分にもなりました。


だって、この矛と盾を売るのが営業の仕事なんだもんなー。


よく50万の品物を60万で売りつけたとしても、
『客がその値段で魅力を感じているんだからいいじゃん』
みたいな考え方を言われますが、何となくやっぱ理解できないんだよなー。
幸せのツボ売りと何が変わんないんだ?っていうと俺は答えられません。


確かに俺も好きなバンドのライブだったら5千円のチケットを1万で買うかも知れません。
でもその“5千円で流通しているものを1万で売ろう”っていう思惑にしょうもない悪意を感じるんですよねー。



もちろん強制はされてないのでそれを60万で売るか25万で売るかは自由です。
ですがこういった売り方しないと達成できない予算が上から来るので、結局ぼったくります。




いやーそれはお前が売れてないひがみを言ってるだけだよー
と言われたらどうしようもないんだけど。




まぁとにかく“矛盾”が存在するのは認めざるを得ないんだけど、
自らが立ってできるもんじゃないなーと一年で思いました。


そんなんで『こんなん続ける自信と気力ないんで辞めまーす』言ったら
一線の営業からは外れて支援を主な仕事にする営業というポジションを作ってもらいました。
まぁ要は雑用係なんだけど、前よりは遥かにマシだし、転職活動も全然進んでなかったんでまぁそれでいいかな、と。




…言う感じで7月から仕事をしております。
まぁ一応言ってみるもんだね、とりあえず。
こんな感じで出だしと締めがズレて終わります。


お前の文章こそ矛盾じゃねーか、って思われそうなんで先に言ってみる。