勝手に続く6章

あらすじ


魔王は意外と平和主義



アベェル『…』
アリア「…すっごーーい」
カイーン「これが古代人の技術力か」


魔王たちが優雅にお茶をすすっていたころ、アベェルたちは古代装置で別大陸へとワープしていたのだった。
ほの暗い洞窟の闇がたちまちに神聖な造りの神殿の光に変わった。




第6章
魔法都市


カイーン「さて、敵の組織もわかったところで共に戦う仲間を集めなくては」
アベェル『そうだな。勇者・勇者・村人のパーティーじゃバランス悪いもんな』
アリア「どんな人たちを仲間にするんですかぁー?」


カイーン「それは剣士に…」
アベェル『そうそう』


カイーン「狙撃手…」
アベェル『あー遠距離攻撃タイプね』


カイーン「航海士…」
アベェル『ん、気が早くね?』


カイーン「医者に…」
アベェル『医者??僧侶のこと?』


カイーン「あとは料理人に…」
アベェル『必要??このメンツって…』


カイーン「謎めいた女とバカなサイボーグとガイコツ音楽家がいれば完璧だ」
アベェル『それワンピース!基本的に世界観違うから!てか仲間集めに何年かかると思ってんの!?


アリア「忍者さんとかもいたらいいですねー」


バカばっかりであった。


アベェル『でも正直なところ回復魔法使える奴がいいなー』
アリア「なんでですか?」
アベェル『今んとこ俺しか回復魔法使えねーんだよー。勇者が回復役ってなんかおかしくね??』
カイーン「だから俺が勇者だと言っているだろう。ほら、街が見えたぞ」


カイーンが気持ち誇らしげに指差す方向には立派な城下町があった。


カイーン「…あれは…本で見たことがある。魔法都市サイレスだ。」
アベェル『どっちかというと魔法使えなそうだけど!?』


▼サイレスのまち


アリア「ふわー。凄い街並みですねぇ。歩いてる人たちもなんかオシャレ」
カイーン「キョロキョロしてると田舎物だと思われるぞ。最低でも3秒は目線を変えるな
アベェル『余計怪しいわっ!


こうしておのぼりさんたちは買い物をした。


アベェル『このミスリル製の鎧なんていいなー』
店員「ミスリルはここサイレスでしか作れない魔法鉄だからね。3000Gでいいよ」
アベェル『ゲ…高……っ!また金がたまったらにしよう』
カイーン『民家のタンスに金や装備品があるかもしれないしな』
アベェル『…勇者のすることじゃねぇな…


アリア「皆さーん!どうですかこれ?ミスリル布で出来た『魔術師のロープ』似合います?」
アベェル『ちょwwwおまwwwなに俺らの金使ってんの』
カイーン「お前は魔術師じゃなくてただの村人だろうが!」
アリア「うっ……生まれてきてごっ、ごめんなさい〜」
アベェル『…お前、確信犯じゃないだろうな…』


こうして一行アリアは買い物をした。


アベェル『きっ、気を取り直して城に行くか!力を貸してくれる賢者なんていたらいいなー』


▼サイレスのしろ








いなかものは かえった かえった!!








_┃ ̄┃〇イナカモノ……





アベェル『もー嫌だ!起きたら突然勇者って言われて王様の口車に乗せられて仕方なく勇者やってたらコレ??やってられっか!!』
カイーン「失礼極まりないな。いくら田舎者とはいえこちらは勇者だぞ」
アベェル『どうせなら田舎者の件も否定しよう!


?「ちょっとオニイサンたち


カイーン「そもそも勇者は俺一人だがな」
アベェル『お前だって門前されてんじゃねーか!勇者っつってもあの大陸しか認定されてねぇじゃん!認知度ひくっ!』
アリア「ごめんなさい〜私がこんなの買ったから…今すぐ売ってきます」
アベェル『勿体無いからそれだけはやめてェーーっ!』


?「オイ、聞いてる?オニイサンがたってば


アベェル『だいたい俺ら遺跡荒らしたり人んち上がり込んだり、どっちかっていうと盗賊じゃねーか!
カイーン「盗賊ではない、カイーンだ
アベェル『桂かァァァ!』
アリア「あれは勇者の為に保管してるものだから取っていっても問題ない………はずですよ」
アベェル『どんだけポジティブシンキングだよォォ!“はず”って何だァァ!』


?「オォォイ!人の話を聞けェェェ!!




〜〜〜〜〜〜〜




▼サイレスじょうない


アベェルたちはサイレス城内の倉庫にいた。
先ほど声をかけてきた少年も一緒にいた。
彼の顔はまだあどけない少年でアベェルたちよりも少し年下に見えた。
鮮やかな緑の髪が薄暗い倉庫の中でも僅かな光を乱反射している。


アベェル『フゥ、何とか潜入成功』
カイーン「楽なもんだな」
?「オイ、何自力で突破したみたいな言い方になってんの?俺が秘密の入口を教えてやったんじゃん」
アベェル『あぁ、そうだっけ?』
カイーン「そのあたりは上の“〜〜〜”で省略されてるからわからんな
?「ひどっ!あんたらホントに勇者?せっかく人が苦労して作った抜け道使わせてやったのに」
アリア「ということはおチビさんはこの城の人なんですかぁ?」
?「誰がハマーだ!あ、間違えた。誰がおチビさんだ!聞いて驚くなよ、俺の名前はソロモノ、このくn……」
衛兵「王子ー!やっと見つけましたぞ!しかもまた変な輩を招き入れて…!」
ソロモノ「ちっきしょー!せっかくのカミングアウトにカブってくんなよジイ!オイ、逃げるぞ!」
みんな『王子!?このクソガキが!?』
ソロモノ「誰がシコダだ!あ、間違えた。誰がクソガキだ!早く、こっちこっち!捕まったら牢屋行きだぞー!」
アベェル『…なんか犯罪者に向かってまっしぐらなんだけど…


次回、『まぁ勇者なんてそんなもんだよ』に続きます。