大ちゃん列伝
イトコの息子(5)に早くも「お前」呼ばわりされてます。
お前です。いや、ffです。
さて、今日はそのイトコこと大ちゃんの話を書きたいと思います。
大ちゃんといってもバイトの後輩だったり、近所の体力バカ(車にぶつかっても無傷)でも、某㍉のブラザーでもましてや焼鳥屋でもないので注意だ!
ご存知ではないように私は一人っ子です。
一人の寂しさに「おとうとがほしいよー」と両親に言った12の夏の夜……と、これは別の話でした。危ない危ない。
ご存知のように私は社交性はないので家にいることが多く、それなのに遊び相手がいないという、今思えば切ない幼少期を過ごしていました。今でもという説もある。
そこでイトコでした。私より7つ上の彼はまさに理想的な兄貴でした。
とても仲がよく、でも実際は兄弟ではないのでイトコのほうが常に私に気を遣ってくれるというアンバイです。アンパイではない。
一緒に公園で遊んだり、ゲームをしたり、双六を作ったり、ゲーセンに行ったり、色々遊んでくれました。
遥か昔イトコの友達が一同に遊びに来て、坊やだった私を可愛がってくれたことがありました。
彼らが私にくれたのは子供の宝ビックリマンシール。
この件で私は買わずしてビックリマンコンプに近いとこまでいきました。
イトコの人徳が伺えます。すげー友だち来てたなぁ。
また、私は同じようにしてキン消しとガン消しも一挙に手に入れました。
そんなイトコも思春期になりました。
いつしか彼は2つ下の妹(私からしたら5つ上)と毎日のようにケンカするようになりました。
ミカンを投げ合うのです。
目の前でミカンが飛び交う光景はすごいですよ。なぜミカン?
テレビにミカンをめり込ませたイトコの思春期はまた別の方向に向かいます。
筋肉に目覚めたのです。バキでも読んだのでしょうか?
スキを見つけては私を手にぶら下げたり、背中にしょったりしていました。重りか、俺は。
また、風呂では「肺活量を鍛えるぞ!」と毎日息止めのトレーニング。
失神寸前まで自分を追い込んだおかげで最終的には3分以上まで伸びました。
そして30分以上は湯船に浸かる。一緒に入っていたらまず茹で上がります。
そして、歯磨き時には
「男なら歯茎から出血するくらい磨け!」
という名言を残しました。
おかげで歯茎も鍛えられた……かは知りません。ただ、歯ブラシはやたら赤かった。
偶然見つけてしまった「完全自殺マニュアル」・・・・。
いや、ネタだろう、コレは。
そんなイトコも就職、一人暮らしを始めます。
シャイで人見知りで女の子が苦手なイトコの一人暮らしは大変そうでした。
そんな折り、初給料で何か買ってあげると遊びに来ました。
なんてイイ奴なんだ。これならモテるだろうに。あ、言い忘れてましたが奴はイケメンです。イケ・メンです。
でもシャイです。シャイ!シャイ!シャイ!きっとまだ童貞です。
そして、商店街で服を買ってもらいます。
その後に入ったマックでの話です。
「あっ、すいませ〜ん。アンケートお願いしたいんですけど〜」
今風というかそのとき風のオネェサンが話しかけてきました。
きっとどうせアンケート取るならこのマックで一番見てくれのいいのを選んだに違いありません。
アスカです。加持さんです。
しかし、オネェサン。こやつは堅物だぜ。一回もおれらはそういう話をしてないぜ。
私は心で思いました。
すると…
「あぁそこかけなよ、おねーさん」
……あれ、意外と慣れてます。
まぁ、私の手前、そんくらい言うでしょう。
アンケートが始まります。
「じゃあまずオニィサンのほうはァ、おいくつなんですかァ?」
「ん〜いくつに見えるワケ??」
「やだァ〜合コンじゃないんですからァ〜」
…アレアレ。
俺のイトコはシャイで女の子が…
「いやーおねーさん可愛いから何でも喋っちゃうよ〜?」
(゜Д゜)……。
お、オイ。お前は誰だ。
ま、まぁそうでしょう。20過ぎてるんだからそんくらい。ねぇ?ましてやイケ・メンだぜ。
多少軽くはなってもイトコがいい奴であることには変わりはない。
その後も旅行に行ったり、ゲーセンに行ったり、双六作ったりしました。
そんなある日、夜中に電話がかかってきました。
いつもボソボソ喋るイトコですが、その日はいつも以上です。
取り留めのない話が続き、代わってくれというのでウチの家族にも話をします。
そろそろ遅いから…と電話を切ろうとしたときです。
じゃあね、と言った後に慌てて付け加えるイトコ。
「あ…。俺子供出来たから結婚するから」
ガチャ。
う、う〜〜ん。
デ、デキタ━━(゜∀゜)━━!!
ちなみにそのイトコの息子の兄貴役が俺です。
アイツが兄貴になる日は来るんでしょうか…。