儚いは美しい、美しいは儚いに非ず
最近リアルに己の体臭を実感する俺です。
いやffです。
おのれっそれになおれっおれっ!
そんな訳で今回はEURO2008でも振り返りますかね。
いつも定期的に読んでくれている人たち誰もピンとこない話ですいません。
でも書きたいんだぜ。誰も俺を止められないんだぜ。
願わくばマーシーのように飲み屋で熱く語り合えるような位好きになってください。
まぁマーシーについては自力で調べて下さいね。
田代じゃないことだけは確かです。
前回EURO2004は伏兵のギリシャが組織的な守備と驚異的な勝負強さで制した。
2006年のW杯は主に守備のタレントを揃え、鉄壁の守りを誇ったイタリアが優勝―――。
メジャータイトルを獲るチームのスタイルの形容はまず第一に守備から。ことナショナルチームに関してはその傾向が強い。
トーナメントという一発勝負の性質上、
また徹底的なスカウティングが日常に行われる中で、
そういった流れは"現実的"で"近代的"な選択だろう。
それだけに、
"美しく華麗なサッカー"を掲げたスペインの優勝は痛快で、
ロングボール多用の大衆スタイルへのアンチテーゼだった。
前評判は決して高くはなかったものの、
大会が進むにつれ多くの人が『スペインに栄冠を』と願わせたサッカーはそれに相応しい素晴らしいものだった。
まぁ俺自身としてはドイツVSスペインの決勝戦から予想済みだったもんね。
え、どこにも書いてない?いやいやもっと昔まで遡って探して下さい。
とはいえ正直ここまで来るとは。
大舞台で結果を出せない我が愛するスペイン。
『無敵艦隊』とか言われながら気が付くとポロっと負けているスペイン。
クラブチームのレベルが高い故に民族対抗意識が高すぎてなかなか仲良く出来なかったスペイン。
韓国でのクソジャッジの前に敗れたスペイン。
ハイヤニハイヤニハイヤニスペイン。
とにかく俺はスペインが好きだ。
正確に言うとスカパー!でリーガを見始めた2002年から好きだ。
ラウールが好きだ。
特にラウールの鼻が好きだ。
プジョールも好きだ。
特にプジョールのカーリーヘアーが好きだ。
デル・ボスケが好きだ。
特にすぐ解任させられてしまう所が好きだ。
グティも好きだ。
特にすぐ熱くなる若い性格が好きだ。でももう32歳だ。
スカパーがWOWOWに放送権を取られて見れなくなっても好きだった。
そのWOWOWがスカパー経由で見れるようになったのですぐに契約したほど好きだ。
こんな時代でも頑なにポゼッション指向のパスサッカーを追求するスペインサッカーが好きだ。
だから俺はスペインを"応援"していた。いちファンとして。
例えラウールがいなくても。いや、正直ラウール外れてかなり揺らいだけど。
しかしやはり"予想"となると勝者のメンタリティを持つドイツ、イタリア辺りが"現実的"なのかなぁ、と。
何と言うことだろうか。
誰にも公表すらしていない段階でだ。
その時点で己の理想や憧れをもう信じられていない。
矮小な見栄の前で。
しかしスペインはそんな俺の"予想"を裏切ってくれた。もちろん、良い意味で。
裏切りというか予想外だったのはアラゴネスの柔軟な采配だった。
控えとしての戦力にラウールを外し、
フェルナンド・トーレス、ビジャ、グイサ、セルヒオ・ガルシアの4人が選ばれたFW構成を見ると、
4ー1ー4ー1に固執する印象がどうもあった。
(セルヒオ・ガルシアはFW登録なものの、2列目右の起用が濃厚だった為)
もちろんこれは"クワトロ・フゴーネス"と呼ばれる4人のコンダクターを同時起用できる為だが、
このフォーメーションで肝となるのは彼らではなく寧ろ中盤を一人で支えるアンカーのポジション。
そこのレギュラーだったアルベルダが所属クラブのバレンシアで不当な扱いを受けてしまった。
(近年稀に見るキチガイ監督クーマンにより謎の戦力外)
シーズン終了直前のクーマン解任まで試合出場の機会はなくコンディションはボロボロ、
涙のメンバー落ちとなった。
代役はマルコス・セナか、シャビ・アロンソか、サパテルを抜擢するのか………
いずれにせよアンカーというポジションにおいてアルベルダの右に出る選手はいない。
つまりフォーメーション自体の変更が一番効果的に思われた。
それだけにセンターフォワードが3人だけ
+セナとXアロンソに加えデ・ラ・レッドも選んだアンカー陳という選定が、
『あぁ4ー1ー4ー1やりたいんだなぁ、でも迷ってるなぁ』と思わせる要因だった。
ラウールを歯牙にかけないどころか『絶ッ対ェ選ばないぞ俺は』的な空気を出し続けたアラゴネスは
どう見ても人の意見に耳を貸さないタイプに見えた。
(究極的にはラウールがどんなシーズンを送ろうときっとチャンスはなかった筈)
しかしである。
蓋を開けてみたらオーソドックスな4ー4ー2(4ー2ー2ー2)でスタート。
大会の目玉選手の一人と言われていたセスク・ファブレガスをベンチに置き、
司令塔のシャビと中央でコンビを組むのはビジャレアルで素晴らしいシーズンを送ったマルコス・セナ。
これがヒット。フィットしてヒット。
スペインがパスサッカーを捨てず攻撃的なメンタリティを持ちつつ
EUROの舞台で勝ち上がって行くために必要なリアリティあるメンバー構成だった。
さらにビジャの離脱には従来の4ー1ー4ー1できっちり対応できた。
(実際F・トーレスは1トップのほうがやりやすそうだったし)
この創造的かつ現実的な戦い方が結果をもたらしたと言えるし、
それはアラゴネスによる功績と言える。
特にセナの活躍は出色モノで、
中盤の汚れ役を一手に引き受けたと思いきや華麗なパス回しに参加し、
積極果敢なプレッシングを仕掛け時にはゴール前まで顔を出しチャンスを演出した。
大会MVPに選ばれたシャビはそんなセナのプレーがあってこそ。
脆弱なディフェンスの筈のスペインが決勝トーナメント3戦全て完封できたのはセナの功績による所が大きいと思う。
ただプジョールを中心としたディフェンスもなかなかに安定していた印象。
『スペインはマルチェナがレギュラーだからダメだ』
という話はよく聞く。
俺もそう思う。
06W杯レギュラーのパブロが伸び悩み、ラウール・アルビオルの経験が足りないが為の厳しい選択だった。
だが、なんだかんだで代表50キャップを越える彼が先発した試合でスペインが敗北した試合はわずかに1。
これは何だか関連性を感じずにはいられない。
実はすげぇディフェンダーなのかも。
もしくは『やべぇ今日マルチェナいるからいつもより頑張ってディフェンスしなきゃ』と周りに思わせているかのどっちかだ。
また最大の泣き所とも言われた左サイドバックはカブテビラが見事に務め上げた。
もう何だか今年の彼はキャリアハイではないだろうか。素晴らしき性能を披露した。
欲を言えばプエルタが見たかった……
そのプエルタのTシャツを身に纏ったセルヒオ・ラモスの出来はまずまずだったものの、
『死んでもお前の魂はグラウンドに持ってきたぜ!』的な心意気が泣ける。
ゴールを是非奪って欲しかった一人です。
そしてコンディションが整わない中奮闘したプジョールもやっぱり素晴らしく、
彼をMVPに推す人もいるみたいだ。
後は中盤で触れていないのはシルバとイニエスタか。
てかいつから全員言う感じになったんだろ。
まぁいいか、ここまできたら。
もう誰も読んでねぇよ。
そうそう、
シルバは運動量が多く相手DFをうまく撹乱させていたし、
イニエスタは調子が上がらずサンティ・カソルラと毎回交代していたものの、持ち味のキープ力はいいアクセントになった。
毎試合のように途中投入されたカソルラはサイドに深く侵入することで
相手にペースを握らせず、自らに課せられた役割を全うしていた。
そして10番のセスク・ファブレガスは控えという立場にも腐らずに
投入されては得点に絡み、準決勝で大暴れした。
こう見てみると、
中盤スゲーーー!
各々の個性がうまく融合され遺憾なく発揮された形だ。
また、補完性が非常に高かったF・トーレスとビジャの2トップも素晴らしかった。
グイサも与えられた時間の中で持ち味を発揮、リーガの得点王は伊達じゃない。
まぁ、EUROを振り返るというかスペインをベタ褒めしているという非常に気持ち悪い感じになりました。
ここまで読んでる人は相当なスペイン好きですね。
ってか俺が好きですね、もう。
つーわけで。
次回、改めて大会を振り返る
の巻。
まだやるんかーい!