まだ続いてた4章

〜前回までのあらすじ〜


イタい子とヤな奴にあった


アベェルのこうげき!


まもののむれをたおした!


アベェルはレベルがあがった!


HPが6あがった!
MPが3あがった!
力が1あがった!
運の良さが1あがった!




アベェル『……………』




プチッ――――――――――――




〜〜〜〜〜〜




アベェルのこうげき!


まもののむれをたおした!


アベェルはレベルがあがった!


HPが6あがった!
MPが3あがった!
力が1あがった!
素早さが1あがった!
技が1あがった!
魔力が1あがった!
守備力が1あがった!
魔法防御が1あがった!
運の良さが1あがった!




アベェル『……よし』




4章 競同戦線




「何が『……よし』だこのインチキ男」


「今のは何だったんですかぁ〜?」


アベェル『……』


「今のはアレだな。乱数調整といってレベルアップでの能力の上がりが気にいらなかったからリセットしてやり直したってことだ」


「わぁズルいですね〜」


アベェル『オイ、うるせーぞ!何なんだ勝手に付いてきやがって!あとさっきのは戦術であってズルくないですぅー』


カイーン「…フン。俺とて貴様となどいたくないがな。たまたま向かう方向が同じなだけだ」


アリア「私はこの間の魔物に家壊されちゃって帰る所ないんですよねー」


前回の村での戦いの後、次の場所へ向かおうとしたアベェルにイタい子とヤな奴は付いてきたのだった。


アベェル『そんな理由で経験値3等分になっちゃってるんですけどねー。損してない俺?』


カイーン「大丈夫だ。ここから先は魔物の数が増えるように設定されている」


アベェル『何?何でそんな内部事実に詳しいの!?


アリア「あ、ちなみに私は戦闘には参加できないので」


アベェル『え??戦闘にいないのに経験値は取ってくの?いらなくない?経験いらなくない??


アリア「うぅ…生まれてきてごめんなさい〜」


アベェル『ちょwwwwめんどくさ』


カイーン「わー泣かしたーいけないんだー」


アベェル『園児か!!




こうして孤独な独り旅は賑やかになったのだった。




しかし―――――――――




アベェル『よし、トドメだ!』


カイーン「遅いっ!」


ザシュ!


『オイ、ターン無視すんな!俺の攻撃だったろうが!』


ずっと俺のターン!!弱い癖に勇者など名乗らないでもらいたいな」


『周りが勝手に言ってるだけだ!しょうがなくやってんのにナニ!?今度は名乗るなだと?舐めんなよ志村けんの持ちギャグみたいな名前しやがって!』


誰がアイーンだっ!って今のは俺のターンだったろうが!」


言ってねーよ!てかお前が順番抜かししたから元に戻しただけですぅー!』


アリア「いやー“喧嘩するほど犬猿の仲”っていいますもんねー」


いわねーよ!!




…このように呉越同舟どころか常に一触即発という危険な状態だったりする。




アリア「と、とりあえずこの大陸を出ませんか?」


カイーン「あぁ、そうだ。ここにいてもイベントはこれ以上起こらん」


アベェル『だから何でそんな内部事実に詳しいんだよお前。お、ちょうど向こうに洞窟があるな。あそこに入るのか?』


カイーン「いや、あれはトラップだ。入ったら死ぬぞ」


アベェル『どんなトラップ?


アリア「ここから西にしばらく行くと遺跡がありますよ。今は魔物が巣くってますが、古代装置とかがあるかも…」


アベェル『説明口調ありがとう。そこだな』




こうしてアベェル一行はこれ見よがしに口を開けている洞窟を無視して西の遺跡へ向かった。




〜レアルニ遺跡〜




遺跡へと足を踏み入れたアベェル一行。汚水に浸食された石碑や柱がこの場所を通り過ぎた気の遠くなるような年月を示していた。
ところどころに文字が記してある。


アリア「なんでしょう、これ…。ブスカシュ、ディ・スティファノ…」


カイーン「何かの暗号みたいだな」


アリア「…イエロ、レドンドフィーゴ…」


アベェル『ん?』


アリア「ジダンベッカムファン・ニステルローイ…」


アベェル『レアルに移籍してきた奴ばっかじゃねーか!アレ、ここ何て名前だったっけ…』


カイーン「何言ってるんだ。こんなのただの落書きだ」


アベェル一行は魔物を倒しながらも更に先に進み、すんなりと最深部まで辿り着いた。


アベェル『何だ、案外簡単だったな』


カイーン「最初のダンジョンだからそんなものだろう」


アベェル『だから何で内部事情…まぁいいや。って、ん?何か書いてあるな』


そこには何やら文字が記された石碑がある。奥には幾重にも別れた道がうっすらと見える。


アベェル『どれか正しい道を行けって感じだな。何て書いてあるんだ?』


カイーン「ちょっと待て」


アリア「どうしたんですか?」


カイーン「さっきから出ている“アベェル一行”というのが気に食わん。別に率いられてなどいない。訂正しろ


アベェル『…』


カイーン「オイ、ナレーション。聞いているのか」


ハイハイ、もううるせーな


アベェル『なんか凄い不機嫌そう!』


カイーン「…まぁ、いい。で、何てかいてあるんだ」


アリア「…え〜っと、“違いをもつ者の道を行け”?」


アベェル『要は間違い探しか。その下は何て書いてあるんだ?』


アリア「“ナンバーワンよりもオンリーワン”」


アベェル『槙原敬之??』


アリア「で、書いてあるのが…」


1.カシージャス
2.パボン
3.グティ
4.ラウール


カイーン「レアルの生え抜きばかりだな…違いをもつ者…か」


アベェル『さすがに最初のダンジョンだけあるな。答えは4のラウールだ!全員確かにレアルのユース出身だがラウールだけ元はアトレチコのユースだったんだ。それをレアルが青田買いしたんだ!そもそも…アレ、ちょっと待って


カイーン「不快だから先に行くぞ」


アベェル『チッ…ってアリアも先行ってるし!』


カイーン「俺より早く行ったぞ」


アベェル『ヒロインにあるまじき行為だぜ!』




「キャーーーーッ!」




アベェル『!!この声は』


カイーン「アリアの声だっ」




次回「やっぱりヒロインっぽい」に続きます