ひっそり続いてた3章(長)
アベェルの攻撃!
『くらえっ!』
ザシュッ!!
スライムに6のダメージ!
スライムたちを倒した!
10の経験値と8G獲得
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アベェルはレベルが3に上がった!
HPが7アップ!
MPが3アップ!
力が1アップ!
素早さが1アップ!
運の良さが1アップ!
ヒーリングの魔法を覚えた!
アベェル『チェ、シケた上がり幅だなぁ。回復魔法も覚えたはいいけど序盤は回復役にされたりしないだろうなぁオイ』
アベェルはぼやいた。
▼
あだ名がノムさんになった!
3章 邂逅
アベェルは前回酒場に行った後、街で情報収集をして、武器屋に立ち寄り、タンスとツボを調べまくったにもかかわらず、フリーズ現象が起こり酒場の後の行動が全部消えてしまったという不幸にもめげず冒険を続けていた。
「セーブはこまめにしたほうがいいよ」
街の子供に言われた言葉が胸に響く。
《いつ母さんがアイロンかけようとしてゲームのコンセント引っこ抜くかわかんないからね》
『な、なんだこの声』
アベェルは一旦街に戻った。
『レベルも上がったし、金も増えた。寝てから装備整えて出発するかぁー』
武器屋に向かい、前から目をつけていたロングソードを買った。
「まいどー」
『やっぱ攻撃力増やさないとね。あれ、前置いてた鎖鎌は?』
「あぁ、あれなら裏のじいさんが買ったよ。草刈るんだってさ」
『もっと安物使えよ!てか俺以外に利用客いたんだ!?』
アベェルは(鎖いらなくね?)とは思ったがとりあえず家に帰った。
マヌーサ「あ、帰ってきたのねマイサン」
アベェル『(何で最後英語なんだろ)ただいま。レベルも上がったし、次の街へ行こうと思うんだよね』
「まぁ、たくましくなって。じゃあ私から餞別をあげなきゃね」
そう言うとマヌーサは奥のタンスをガサガサやり始めた。
(おっ、そんなイベントあったのか。ラッキーだな)
「ほら、母さんからロングソードのプレゼントですよー」
アベェルはロングソードを手に入れた!
『……』
_┃ ̄┃〇カブッた。。。。
「やっぱり攻撃力増やさないとね」
『あ、ああ…ありがとう。大事に使うよ』
教訓:イベントは早めに起こそう。
よく考えよう、お金は大事だよー。
翌日、アベェルは旅に出る前に泣く泣く一本のロングソードを売った。
母からもらった方を。
町人から《北に行けば村があるんだけど、最近魔物たちの襲撃を受けているらしいよ》との情報を得ていたアベェルは『こりゃ村入った途端強制戦闘パターンだな』と読み、レベルをしっかり上げていたのであった。
アベェル『回復魔法も覚えたし、たぶん大丈夫だろう。北へ。北へ、と』
ロングソードを手にしたアベェルはスライム辺りはもう雑魚なので難なく北の村までたどり着いた。
〜カツヤの村〜
村人A「ヒィー!ま、魔物がやって来て、む、村がっ…!
あ、ここはカツヤの村です」
アヴェル『さすが!パニックに陥っても自分の役割はきっちり!』
グルルル…!
かげからまもののしゅうらい!
スライムがあらわれた!
ザシュ!
スライムをたおした!
『村の中にもモンスターか。思った通りだな。まぁスラ公なんて俺の敵じゃないぜっ!』
ガルルル…!
こんどはゴブリンがあらわれた!
…ザシュ!
ゴブリンをたおした!
『ゴブリンだって相手じゃないぜー!』
グルルルガルルル
スライムとゴブザシュ!
『弱いぜ!弱すぎるぜ楽天!他の球団が羨ましいぜ!ってアレ俺ノムさん?』
アヴェルはこんらんした!
『落ち着け…。落ち着いて頭を整理しよう。ここの村はカツヤの村で…カツヤ・ノムラ……野村克也?アレ?』
アヴェルは勝手に錯乱しているうちに村の広場へと着いた。
そこでは一人の少女が魔物に捕まっていた。
周りには村人がいるが魔物を恐れて誰も助けにいけないようだ。
お前が行くしかない、アヴェル!
『なにこのナレーション!?』
「グヒヒ、ルシファア様に土産としてこの娘を連れてくのはどうジャガー?」
「いいね、いいね。あんなことやこんなことも!楽しみジャック!」
『う゛〜なんて私がぁ…。死んでお詫びしますから許して下さぁい…グス』
「いやジャガー!」
「だいいち死んだら助からないジャック!」
『ウケケケ!チョーウケル!』
アヴェル『おい、そこの耳障りな魔物ども、その子を放しやがれ!』
「?何か命知らずがいるジャガー?」
「俺たちはただの魔物じゃないってことを知らないジャック!」
「ただの初回ボスと思うなジャガー!」
「俺たちの名を聞いて驚くなジャック!」
『その名もジャガーとジャックっっ!!!』
『かませ犬じゃねーーか!!』
ザシュ!
ジャガーとジャックをたおした!
ジャガーとジャック『次こそは覚えてろよー!』
そう言い残すと二匹の悪魔はテレポートで逃げていった。
『次はグリムとジョーも連れてこいってんだ(何であのテレポートを戦闘で活かさないんだろ?)』
女の子「あっ、ありがとうございました!あのっ、そのっ、何てお礼をしたらいいか…そうだ!死んでお詫びします!」
アヴェル『いや、助けた意味なくなっちゃうからそれは止めて。まぁ無事でよかったよ。これで当分魔物はやってこないだろ、流れ的に』
「はいっ、私の名前は…ア、リアと言います!アナタはもしかして勇者さま…?」
『ん、アリアっていうの?俺はそう勇者らしいんだけどさ、ちょっと君の名前って俺の探してるリアって子と名前が近いよね。数少ない女の子の名前がかぶってるってどうかと思うよね。いや、君のせいじゃないんだけどさ』
アヴェルがプロデューサーみたいなことを言い出したその時…!
村人B「し、志村後ろー!」
『誰か志村だ!って魔物の生き残りかっ!ヤバ…』
ザシュ
『…くない?アレ?助かった?』
「…フン」
いつの間にかアヴェルとアリアの後ろには一人の剣士が立っていた。
たった今切り捨てたであろう魔物の血をその剣に滴らせて。
その青みがかった黒髪の男はひどく不機嫌な様子だ。
『お、どこの誰かは知らないけど助かったよ。悪いな』
「これで勇者とは笑わせる…」
『へ?なんで不機嫌?』
「勇者の称号はこのカイーンにこそ相応しい!」
『一つ棒がはいるだけで人の名前って変になるもんだ!』
次回4章『お前もな』に続きます。